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草創期と成長期
事業の内容もそれぞれで、個人事業も会社を設立し従業員を雇用しての事業もあります。、一概に事業の流れを一般化することはできません。しかし、おおまかには事業が変化するパターンがあり、その流れはどの事業も同じです。
(1)草創期
事業を始めたばかりのときには事業を一人で始めるケースもあります。製品をつくり、または商品を仕入れ又はサービスを外注し、それらを加工しもしくはそのまま外部に販売することで事業が成立します。
もちろん、製品をつくり販売するとき、若しくは商品として販売するときには、材料の仕入れが発生しますが、全体としては仕入れ→資金支払い→販売→資金回収がどの事業にも当てはまります。資金支払いが資金回収のタイミングよりも遅ければ、はじめの資金さえあれば、事業はうまく廻りますが、資金支払い>資金回収であれば、運転資金をもっていないと事業は回りません。
本業に長けている、資金の用意がある、ここでいう事業のながれを理解し、在庫管理(外注管理)、顧客管理や金銭管理を行えることが必要です。すべて一人で行うこともできますが、従業員を雇用し事業を行うのであれば、人事管理も必要になりますし、損益管理を行いながら、利益や資金の確保についてうまく事業が回るように、マネジメントしていかなければなりません。草創期にはこうした管理がうまくいかず、上記であげた項目のどこかに問題が発生し、躓くことになります。営業をしっかり行いながら、ここであげた内容をしっかり行えるよう学習しておく必要があります。
やみくもに、これはよい物だから、よいサービスだから、事業はうまくいくと短絡的に考えてはいけないことに気付かなければなりません。
(2)成長期
成長期は、事業が拡大していく時期をいいます。草創期でつくりあげたビジネスモデルを磨きあげ、イノベーションを起こしながら本業の質を高めていくことや、マーケティングを行い販売促進を行うこと、関連する領域における事業を考え十分に検証したうえで新規事業に着手する時期です。
このなかで重要なことは、引き続き本業の営業活動を強化する、設備投資を行い規模を拡大する、という基本的な業務を行うともに、管理体制を強化し、内部を固めることです。会社が成長するにしたがい、管理をしっかり行うことにより、成長基盤を確固としたものにしていくことがひいては本業の活性化を誘導することになると考える必要があります。新しいシステム導入や、生産性向上のための仕組みづくりを行い、事業発展を容易におこなえるよう投資をすることを忘れてはなりません。
成熟期と衰退期
(3)成熟期
事業が成果を挙げ順調に進む時期を差しています。このころになると事業はとりわけ特徴もなく、安定的な事業を継続できるようになります。この時点での規模は大きくなっている事業もあるし、また規模は大きくなくてもそこそこ継続している事業もあります。
事業に大きな成長がみられるものでもなく、収益も伸びなくなります。
ここから飛躍的に当該事業が伸びていくということはありません。この時点で経営者が行うべきは、次の事業を始めることである理由がここにあります。成長が止まり、もう伸びないのであれば、次の柱となる事業を探す。それができなければ、成熟した事業はかならず、どこかで衰退すると考えなければならない、と気づく必要があるのです。いままで培ってきた経験を元に、さらに事業拡大するということも考えられるし、関連する事業への展開を行う、ということもあります。
私のクライアントである戸建て住宅の販売を行っている業者は、ホテル事業に乗り出しました。戸建てで築いた、不動産売買のスキルや、内装や工事のノウハウは、間違いなく役に立つという感覚もあったのだと思います。事実、同社は、新しいノウハウも学びつつ、ビジネスホテルから、旅館まで幅広いホテル事業を行い、成長する事業に育て挙げています。
(4)衰退期
競合もでてくるし、時代が変化し、従来の事業が古くなるときが必ずやってきます。環境変化や技術革新、消費者ニーズの変容がその理由です。革新のない事業は成熟期に入り、衰退期に入ると理解していれば、成熟期の期間を延ばす、というよりも成長期でい続けるということが経営者の役割かもしれません。
ただ、他律的な理由により、成熟期にいきなり突入することがあるので、前述したように、日頃から準備を行い常に事業の芽を探し、次は何を行うのか、という領域において研究を続けることが衰退期に入らないポイントであると考えています。衰退期に入ったとしても、ここから捲土重来ということもありますので、この時期であっても、次の事業を探すことを諦めてはなりません。富士フイルムが、コピー機への展開や、衰退期に突然入ったフィルム事業から撤退し、医薬品や医療機器の会社に変貌を遂げた例は特徴的だと思います。
ライフサイクルを念頭に常に革新を
事業は、草創期、成長期、成熟期、衰退期に区分される。事業は必ず衰退する、だから成長し続けるために革新を行い事業を成長期に位置付けし続ける。そして時代の変化に合わせ、次の事業への準備を怠らない、タイミングを間違えずに、常に成長させる事業への着手を行っていくことが必要だという結論です。
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